志望動機を「キャリアアップ」と言ったら不採用!?

転職の際の面接で志望動機を聞かれて、「キャリアアップしたい」と答える人が多いです。
一見、積極性があり向上心を持って努力する人物だとアピールできそうですが、面接者から見ると、実はマイナスイメージになる場合が多いのです。

転職理由がキャリアアップを図りたいからという場合であっても、具体的な説明なしに答えるのは控えるべきです。
キャリアアップという言葉の意味が曖昧であり、その内容は人によって様々であることとと、求職者は更なるキャリアアップを求めて別の会社に移るのではないかと、面接者が不安になるからです。

この記事では、転職の面接を成功させるために気をつけなければいけないことや、答え方の具体例などをわかりやすく説明します。

筆者は、採用側としての面接経験が豊富で、どのような点が重視されるかを熟知していますので参考になると思います。

転職の志望動機を「キャリアアップ」と言うとマイナス評価の恐れあり

(理由1)「キャリアアップ」の意味が曖昧だから

キャリアアップという言葉は便利である反面、意味が曖昧です。求職者がどのよう変化を求めているのか、それぞれ異なるからです。

例えば、より専門性の高い職に就きたい、あるいは、もっと高収入の仕事をしたい、また、社会的地位を上げたいなど。
現在の仕事で何が達成できず、どのような目標イメージを持って転職するのかは千差万別です。

ですので、十分な説明なしで「キャリアアップしたいから」と答えると、面接者はいろいろと具体的な中身を聞いていかなければなりません。
聞かれてから答えること自体、「この求職者は相手にわかりやすく物事を伝えられない人だ」という印象を与え、評価が下がる恐れがあります。

どのようなことを求めて転職するのかを、具体的な事実を示しながら説明しないと、面接者は自分の会社にどのように貢献してくれるのかが判断できません。

(理由2)自分本位と受け止められる恐れがあるから

 
志望動機をキャリアアップと答えると面接者は「この求職者は、会社に入った後、さらなるキャリアアップを求めて次の会社に移っていくのではないだろうか?」と考える恐れがあります。

筆者は過去に数多く採用面接をしていますが、キャリアアップという答えを聞くたびにそうした不安が頭をよぎり、すぐに転職される可能性がないかを、いくつかの質問で確認していかざるを得ませんでした。

前述したように、キャリアアップという言葉には前向きなイメージがあり、口にしてはいけない言葉というわけではありません。
しかしながら会社は社員がすぐに転職してしまうことを恐れています。社員の教育に相当のコストをかけますし、社員のノウハウは会社の大事な財産だからです。
ですので、会社への貢献を併せて述べることなく、自分のキャリアアップだけ答えると、自分本位で会社へのプラスにならないと受け止められてしまう恐れがあります。

自分の成長と転職先への貢献の両方を満たして答えるのが大事(具体例あり)

(1)自分のことばかりでなく、転職先にどう貢献できるかも併せて答える

志望動機を答える際には、①転職してどのように自分が向上したいのかを具体的に説明する ②その過程で自分が転職先に何の業務でどのように貢献できるのかをわかりやすく答えるのが効果的です。

問題意識や向上心を持って努力する人だという印象を与えるとともに、具体的にどのような業務で貢献してくれるということが面接者にイメージできるからです。

筆者がこれまで面接をしてきた中でも、求職者自身ががもっと成長したいということと会社にどのように貢献したいかを織り交ぜて答える求職者がいました。このような求職者に対しては、積極性とバランス感覚の両方を感じ取ることができ、評価は必然的に高くなりました。

なお、注意すべき点があります。
それは、現職への不満を口にするのは避けた方がいいということです。
なぜなら、上手くいかない理由を人のせいにしていると受け取られかねないからです。現職でキャリアアップが図れないのであれば、その理由を具体的な事実に基づいて説明すべきです。

例えば、経理に長く携わってきて、財務部門に異動したいという希望は叶えてもらったが、そこでもルーティンワークが多く、高い専門性は身に付けられない、などです。

(2)回答の具体例

志望動機の回答例としては次のようなものが考えられます。

【例1】より専門性のある仕事をしたい場合

住宅リフォームの営業の仕事を8年間してきました。営業成績が社内で年間1位を獲得し表彰されるなど実績を上げてきたのですが、営業で培った知識やノウハウをさらに活かしていきたいという気持ちが強くなり、マーケティング分野の専門的なコンサルティング会社である御社への転職を志望しました。

【例2】財務部門で経験を積み、将来的には管理職を目指したい場合

新卒で自動車部品メーカーに入社以来6年間経理を担当してきました。社内のお金の流れはある程度勉強できたものの単純な事務処理が多く、もっと財務や予算といった経営の根幹に関わるような業務に従事したいと考えるようになりました。
簿記1級の資格を持っておりますし、迅速・的確に事務を処理する能力はこれまで磨いてきておりますので、今後御社で財務や予算などの業務をこなしながら勉強し、将来的には管理的な立場で御社の経営に貢献できればと考えております。

【例3】時代の変化に対応できる技術力を磨いていきたい場合

IT企業で7年間、システム開発エンジニアとしてキャリアを積んできました。
シリコンバレーのIT企業の動向を自ら英語で情報収集しているのですが、現在勤めている企業はこれからのIT業界を取り巻く変化に対応していくための経営投資が不足しているという認識が強まりました。
今後伸びる企業で自らの能力を存分に発揮したいと思い、いろいろな企業の情報を収集しました。
中でも御社は、業界でこれまでどの企業も取り組んだことのない新世代のシステム開発や希少性のあるサービスの創出に積極的に取り組まれていることから、御社への転職を志望しました。

【例4】出産・育児休業の後も公平に昇進のチャンスがある企業で働きたい場合

食品卸の中堅企業に7年間勤務しています。結婚・出産後もずっと働きたいと思っていますが、当社の女性社員は産休・育休を取得した後、ほとんどが退職しており、女性社員が活躍できる環境が整っているとはいえない状況にあります。実際、女性管理職もごくわずかです。できれば私は将来管理職になって、より責任ある仕事をしていきたいと考えておりますので、女性活躍への取組が活発になされている御社への転職を志望しました。

まとめ

次の理由から、転職の面接で志望動機を「キャリアアップ」とだけ答えるのはマイナスです。
● 「キャリアアップ」の意味が曖昧だから
● 自分本位と受け止められる恐れがあるから

そして、志望動機を答える際には、「自分の成長と転職先への貢献」の両方をバランスよく盛り込むことが大事です。

回答例も参考に、志望動機について十分に練った上で面接に臨むことをおすすめします。

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