キャリア育成したいなら 「業種」でなく「職種」で考える時代

キャリアを育成するため転職する場合に、従来はどのような「業種」に転職するかをまず考えることが一般的でしたが、経済活動の高度化・専門化が進む中、それを支える人材の専門的スキルが重視され、会社内でのジョブローテーションを控える傾向が強まっており、転職の際もどのような「職種」に従事してきたか、何の「職種」に就きたいかが問われる時代になってきました。

そこでこの記事では次のことについて解説します。

  • 「業種」と「職種」の違い
  • 「職種」で考えることの重要性
  • キャリアを育成するために有望な「職種」

キャリアアップしたいなら「業種」でなく「職種」で考えるべき理由

「業種」とは

「業種」というのは、金融業、製造業、小売業、ホテル業など業界の種類です。従来、転職の際は希望の「業種」を探すのが一般的でした。
例えば、自動車製造業、電子部品製造業、大手スーパー、広告業、保険業など、働きたい「業界」が優先されてきました。

どのような会社に転職したいかを考える場合に「業種」は真っ先に思いつきやすいですが、よく考えると、例えば金融業であってもマネジメントや事務職もいれば、営業畑を長年歩く人もいてその持っているノウハウは相当異なります。
ですので転職の際、業種だけで考えるのは、目標設定として精密性に欠ける面があります。

「職種」とは

一方、「職種」というのは、マネジメント、営業、財務、経理、人事・総務、企画、工業デザイン、ITエンジニア、金属加工といったように、より細分化されます。
「業種」というのは「業」すなわち「業界」の種類ですので会社がどのジャンルに属すかといった切り口ですが、「職種」というのは「職」の種類で、より個人の視点に立った、また仕事内容への相関の高い分け方だと言えます。

「業種」でなく「職種」で考えるべき理由

転職のフェーズにおいては、個人がどのようなスキルを持っているか、また何のスキル取得を目指すか、次の会社でどのように生かしていくかなどが重要ですので、「業界」ではなく個人の仕事目線の分け方である「職種」で目標を絞っていくのが理にかなっています。

採用する会社側としても、社内でのジョブローテーションを控えて専門スキルのある人材を育てていくニーズが高まっており、採用時においては、どの業界で働いてきた人なのかよりも、どんなスキルを持っている人なのかをより重視するようになっています。

例えば、開発系のプログラミングに実績があれば、自社の新規システム開発案件に人材投入できる、といった具合です。
IT業界で働いてきた人であっても、営業の人であれば当然ながら開発担当で投入できません。

一方、IT業界の営業で実績を積んできた人は、ホテル業の営業には採用される可能性があります。
なぜなら営業という職種においては、売る対象物は違っても、どのような行動・言動が成約率を上げるかなどについては共通の法則性があるからです。

できるだけ多くの人にアプローチしておいて興味を持った層にイベントや情報等を紹介し、そこから実際の商談に持ち込むなど、段階を経て成約に持っていくマーケティング法則に沿った営業手法などはどの業界でも基本的に同じです。

もちろん営業成績を上げてきた人は、対人コミュニケーション力も備わっている場合が多いですので、営業実績などを十分説明できれば他業界であっても採用される可能性は十分あります。
経済活動が高度化・専門化する中、転職に当たっても業種で捉えることは困難になってきており、職種ベースで目標設定し情報収集・転職活動を行なっていくべきでしょう。

また、採用側も先に述べたとおり職種本位で捉えることが多いことから、採用面接においてもこれを踏まえ職種を基準とした過去の実績・スキルの説明を行うことが求められます。

キャリアを育成するために有望な「職種」6選

営業職

営業職は、未経験でも採用されやすい職種です。経験があってもあまり人当たりが良くない人より、経験はなくても人当たりが良く社交的な人の方が一般的に営業力のポテンシャルは高いでしょう。

話好きで相手の話もよく聞けて、フットワークにも自信があるという人は、未経験であっても営業職に就いてみれば才能を発揮できる可能性があります。
採用する側から見ても、かえって未経験の方が社員教育しやすい面もあることから狙い目です。

営業は企業収益確保のための重要な職種ですので、スキルを高めて企業にとって欠かせない人材になれる可能性を秘めています。

ITエンジニア

ご存じのとおり、様々な産業分野においてIT化が進み、それに伴ってITエンジニアの需要はまだまだ高まっていきます。
ただし、優秀なITエンジニアという条件付きですが。

Web開発、ネットワーク、サーバ、Web制作などITも細かく分かれており、初心者であればWeb制作系マークアップ言語などを習得して初心者OKの会社に入ってキャリアを作っていくのもおすすめです。
大学等で言語を学んだ人は特に積極的にチャレンジしてみる価値があります。

会社でOJTで身につける部分が大きいですので、最初から尻込みする必要はありません。

生産・製造技術、品質管理・保証

環境品質の重視や食品安全性確保のニーズ拡大などによりそれを担う専門的スキルを持った人材へのニーズも高まっています。

企業からするとこうした環境対応、安全性対応をすると商品への信頼度や企業イメージが高まり商品が高付加価値になるため、それを専門知識・ノウハウで支える人材は少し高い報酬を払ってでも確保したいわけです。

この職種は簡単に独学はできないため、業界の情報を集め専門家に話を聞きにいくとか、あるいは低スキルで入社可能な会社に入ってしまって実践でスキルをみに付けるといった戦術が必要になります。

採用面接などでは、習得した知識・スキルを説明しこの職種へのパッションがあることを簡潔にプレゼンテーションするのが効果的です。

公務員

行政においても民間のノウハウを取り入れたいことや、優秀な即戦力の人材を幅広く採用したいというニーズがあり、最近では民間企業経験者の中途採用枠が広がっています。

経験が無になることなく勤務年数などは一定程度給与等級に反映されるため、民間企業へ転職するより有利な面もあります。
国や各自治体によって採用の職種や年齢制限、試験(専門・教養・論文など)・面接など様々ですので試験要領をよくチェックする必要があります。

公的な団体の事務局長などに、相当長いキャリアを積んだ民間出身者を募集することも多いですので、ネットでこまめに情報を収集するのをおすすめします。

介護職

高齢化社会の急速な進展によって人材不足が最も深刻となっている職種の一つです。一般的には高齢者福祉施設等での勤務となります。

現在資格を有していなくても職務を行うことは可能ですが、資格を要する仕事があったり給与面で格差があったりしますので、仕事を積み重ねながら資格を取るのがおすすめです。仕事を経験していれば試験科目の内容も頭に入りやすいという利点もあります。

コンサルタント職

コンサルタントには幅広い分野があります。
先に述べたIT分野の専門知識を持ったITコンサルタントや経営戦略への専門的なアドバイスなどをする経営コンサルタント、設計コンサルタント、流通コンサルタント、事業再生コンサルタントなど、世の中の仕事の数ほど種類があると言っても過言ではありません。

これまでの経験で人の持っていないような、かつニーズのある分野のノウハウがある場合は、この職種を狙うのもいいでしょう。
知識を売る職種ですので収益効率が高いことやこれまでのキャリアが無駄にならないことは大きなメリットです。
一方、常に社会は変化しているため経験に基づく古い知識に固執することなく常に新たに学んでいくという姿勢が求められます。

まとめ

いかがでしたか。
「業種」を漠然と考えるのではなく、目指す「職種」を明確に決めることがキャリアアップを図る上で大事ですね。
さっそく幅広い選択肢の中から「職種」を抽出して、業界の垣根にとらわれることなく行動してみてはいかがでしょうか。

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